−ソロワークスもいよいよ7作目となり、今回は『about Boylston street』というタイトルから分かるように、1990年代初頭の大学院時代、ボストン留学時代に録音された楽曲と言うことですが、タイトルにもなっている「ボイルストン・ストリート」というのは?
GND:当時僕が住んでいたのがボストン中心地のボイルストンストリートでした。友人の紹介で2年少しアパートの5階の部屋を一月300ドル!で借りていました。7曲目の「Dear Harold」のタイトルにもなっているハロルドというポッチャリした黒人のゲイのおじさんがルームメイトで、音楽が好きでとても親切な人でしたね。
−ボイルストン・ストリートというと、ボストンの中でも指折りの商業街という事ですが、どんなところでしたか?
GND;すぐそばにレッドソックスの本拠地フェンウェイパークがありました。裏はクラブ街になっていて週に2、3本はライブを観に行っていましたね。ブレイク直前のビョーク、ポールウェラー、プリテンダーズ、レディオヘッド、ジェームス、ボアダムス…5〜20ドルくらいで、裏なのでとにかくなんでも観に行ってました。
−その頃のビョークというと、ちょうどシュガーキューブス解散後から1stアルバムをリリースした頃ですね。大御所からアンダーグラウンドまで、実に様々なミュージシャンを見られたのは羨ましい環境であると同時に、そのような土壌がゴンドウさんの音楽性をより豊かにしたと推測できます。
GND:とは言え、当時はコンピュータも含めて機材も大したものは揃ってなく、バイトに明け暮れて先も見えない悶々とした学生生活でしたね。そして大学院を卒業後もストリート・ライブをしたり、日夜曲作りをしていました。傾倒する音楽がアンビエントやミュージック・コンクレートなど実験音楽で、もう普通じゃないので仲間もいませんでした。ほんとに今思うと尋常じゃなかった。当時の日記を見ても鬱状態が記されていますが、今読むとどことなく微笑ましいですね。
−鬱っぽいゴンドウさんというのもあまり想像できませんね(笑)。そんな中で生まれた楽曲が、今回のアルバムのベースになっているんですね。
GND:DATレコーダーを買ったのがこの頃で。記録物としては音質も良いので使えるものはコンピュータに取り込んでリメイクやアレンジを施しました。アルバムに収録した「study」シリーズは当時のままの音源でその名の通り習作です。何を考えて作ったのかも覚えていないですね。
−「One Holy night」はつい先日レコーディングした旨をSNSで発信していました。
GND:「One Holy night」は今回録音したものですが。譜面としてもたくさん残っているため挑戦してみました。2曲目の「Walking with Gremory」に関しても当時の音源をなぞってピアノ、ユーフォ、シンセを入れ直した作品ですね。3曲目の「Montezuma」のように代替のきかない音色などはうまく編集をしMIXをして完成させました。ディジュリドゥに出会ったのもこの頃で、5曲目の「Db Dream」ではは最初期の録音になります。
−10曲目の「Euphoria#2」は聴き覚えのある曲です。
GND:M10は「The Social distance」(店主と伏見蛍さんとオータコージさんのバンド)でも演奏はしたことがありますが、今回はそのオリジナルバージョンですね。
−「3密」というタイトルでしたね。
GND:このライブ録音もいつか世に出したいですね。
−15曲目の「Dear Pino」というのは可愛らしいタイトルですね。
GND:これは当時遠距離で付き合っていた彼女の愛称ですね。
−今から30年近く前の録音ですが、これほどクオリティが高いのに驚きました。
GND:アルバムとしてあまりに私的ですが、もう7枚目ともなると自分の思うがままのカタチとしてのアルバムになるのが楽しくてしょうがないです。自分が聞きたいがための作品に陥ってしまいそうで怖いところもありますが、最終的には自分が楽しみたいから作っていけるというのはありますね。どんなジャンルなのかももはや不明です。
−とにかく楽しさと、新しい音楽を創造したい、という想いが伝わってきます。
GND:まだこの頃の曲は多数あるので、個別に今後入れていこうと思います。
−楽しみです。有難うございました
GND:当時僕が住んでいたのがボストン中心地のボイルストンストリートでした。友人の紹介で2年少しアパートの5階の部屋を一月300ドル!で借りていました。7曲目の「Dear Harold」のタイトルにもなっているハロルドというポッチャリした黒人のゲイのおじさんがルームメイトで、音楽が好きでとても親切な人でしたね。
−ボイルストン・ストリートというと、ボストンの中でも指折りの商業街という事ですが、どんなところでしたか?
GND;すぐそばにレッドソックスの本拠地フェンウェイパークがありました。裏はクラブ街になっていて週に2、3本はライブを観に行っていましたね。ブレイク直前のビョーク、ポールウェラー、プリテンダーズ、レディオヘッド、ジェームス、ボアダムス…5〜20ドルくらいで、裏なのでとにかくなんでも観に行ってました。
−その頃のビョークというと、ちょうどシュガーキューブス解散後から1stアルバムをリリースした頃ですね。大御所からアンダーグラウンドまで、実に様々なミュージシャンを見られたのは羨ましい環境であると同時に、そのような土壌がゴンドウさんの音楽性をより豊かにしたと推測できます。
GND:とは言え、当時はコンピュータも含めて機材も大したものは揃ってなく、バイトに明け暮れて先も見えない悶々とした学生生活でしたね。そして大学院を卒業後もストリート・ライブをしたり、日夜曲作りをしていました。傾倒する音楽がアンビエントやミュージック・コンクレートなど実験音楽で、もう普通じゃないので仲間もいませんでした。ほんとに今思うと尋常じゃなかった。当時の日記を見ても鬱状態が記されていますが、今読むとどことなく微笑ましいですね。
−鬱っぽいゴンドウさんというのもあまり想像できませんね(笑)。そんな中で生まれた楽曲が、今回のアルバムのベースになっているんですね。
GND:DATレコーダーを買ったのがこの頃で。記録物としては音質も良いので使えるものはコンピュータに取り込んでリメイクやアレンジを施しました。アルバムに収録した「study」シリーズは当時のままの音源でその名の通り習作です。何を考えて作ったのかも覚えていないですね。
−「One Holy night」はつい先日レコーディングした旨をSNSで発信していました。
GND:「One Holy night」は今回録音したものですが。譜面としてもたくさん残っているため挑戦してみました。2曲目の「Walking with Gremory」に関しても当時の音源をなぞってピアノ、ユーフォ、シンセを入れ直した作品ですね。3曲目の「Montezuma」のように代替のきかない音色などはうまく編集をしMIXをして完成させました。ディジュリドゥに出会ったのもこの頃で、5曲目の「Db Dream」ではは最初期の録音になります。
−10曲目の「Euphoria#2」は聴き覚えのある曲です。
GND:M10は「The Social distance」(店主と伏見蛍さんとオータコージさんのバンド)でも演奏はしたことがありますが、今回はそのオリジナルバージョンですね。
−「3密」というタイトルでしたね。
GND:このライブ録音もいつか世に出したいですね。
−15曲目の「Dear Pino」というのは可愛らしいタイトルですね。
GND:これは当時遠距離で付き合っていた彼女の愛称ですね。
−今から30年近く前の録音ですが、これほどクオリティが高いのに驚きました。
GND:アルバムとしてあまりに私的ですが、もう7枚目ともなると自分の思うがままのカタチとしてのアルバムになるのが楽しくてしょうがないです。自分が聞きたいがための作品に陥ってしまいそうで怖いところもありますが、最終的には自分が楽しみたいから作っていけるというのはありますね。どんなジャンルなのかももはや不明です。
−とにかく楽しさと、新しい音楽を創造したい、という想いが伝わってきます。
GND:まだこの頃の曲は多数あるので、個別に今後入れていこうと思います。
−楽しみです。有難うございました
―ソロワークシリーズも『A Song without Words vol.1』と『vol.2』が無事リリースされました。手応えはいかがですか?
GND:周りの手応えはそんなに感じませんが、出すまでに時間がかかったのでいよいよ始まった感じで嬉しいです。
―毎月リリースという作業は、既に素材があるものが多いとは言え、細かい作業やMix、マスタリング、そして曲の作り直しなども含めて大変だと思います。実際このスパンでやってみていかがですか?
GND:出すとなるとやはり「このままだと…」と思うことが多くなって今だったらこうするみたいなアイデアも出てくるのでめちゃめちゃ時間がかかります。
―今までの2枚、そして来月リリースの3枚目は全てインストですが、ジャンルはバラエティに富んでます。ご自分の中で敢えて自分をカテゴライズするとすれば、どのようになりますか?
GND:今のところエレクトロニックでインストものという枠組みで作ってますが他にも沢山あるので今後どうするかまだ悩んでます。
―通して聴いてて面白いのは、レストアしてるとは言え古い曲と新しい曲が1枚のアルバムの中で同居していても違和感を感じないことです。
GND:そうですね。統一感を考えてしまうから時間がかかるんでしょうね。
―今までのソロワークスを聴いてきて、ゴンドウさんの作風の一つに「ミニマル」「アンビエント」というワードが浮かんできました。ご自分の作風を意識してることはありますか?
GND:そうですね。好きなアーティストがそっち寄りだと自然に傾くことはあります。
―今までのソロワークスを通して、ファンには今までの見えにくかったゴンドウさんの作風というものが少しずつ見えてきたのではないかと思います。今後のソロワークの展開についてお聞かせください。
GND:どうかなぁ。益々見えづらくなってるかも…。でもそれでも良いかなぁと思い始めてて。今まで恥ずかしくて人に聴かせられ無かったのがもう否が応でもリリースしなきゃいけないんだから。何とかして恥ずかしくないカタチにしてリリースすることだけを考えてます。だってこんなに周りから何も言われずリリース出来る環境って今が最強じゃないですか?楽しみつつ頑張ります。
−有難うございました。今後の展開がますます楽しみです。
2022年8月2日公開
※本インタビュ−の完全版は『愚音堂メールマガジン82号』に掲載されております。是非ご登録してお読みください。ご登録はhttp://gooondo.com/magから
GND:周りの手応えはそんなに感じませんが、出すまでに時間がかかったのでいよいよ始まった感じで嬉しいです。
―毎月リリースという作業は、既に素材があるものが多いとは言え、細かい作業やMix、マスタリング、そして曲の作り直しなども含めて大変だと思います。実際このスパンでやってみていかがですか?
GND:出すとなるとやはり「このままだと…」と思うことが多くなって今だったらこうするみたいなアイデアも出てくるのでめちゃめちゃ時間がかかります。
―今までの2枚、そして来月リリースの3枚目は全てインストですが、ジャンルはバラエティに富んでます。ご自分の中で敢えて自分をカテゴライズするとすれば、どのようになりますか?
GND:今のところエレクトロニックでインストものという枠組みで作ってますが他にも沢山あるので今後どうするかまだ悩んでます。
―通して聴いてて面白いのは、レストアしてるとは言え古い曲と新しい曲が1枚のアルバムの中で同居していても違和感を感じないことです。
GND:そうですね。統一感を考えてしまうから時間がかかるんでしょうね。
―今までのソロワークスを聴いてきて、ゴンドウさんの作風の一つに「ミニマル」「アンビエント」というワードが浮かんできました。ご自分の作風を意識してることはありますか?
GND:そうですね。好きなアーティストがそっち寄りだと自然に傾くことはあります。
―今までのソロワークスを通して、ファンには今までの見えにくかったゴンドウさんの作風というものが少しずつ見えてきたのではないかと思います。今後のソロワークの展開についてお聞かせください。
GND:どうかなぁ。益々見えづらくなってるかも…。でもそれでも良いかなぁと思い始めてて。今まで恥ずかしくて人に聴かせられ無かったのがもう否が応でもリリースしなきゃいけないんだから。何とかして恥ずかしくないカタチにしてリリースすることだけを考えてます。だってこんなに周りから何も言われずリリース出来る環境って今が最強じゃないですか?楽しみつつ頑張ります。
−有難うございました。今後の展開がますます楽しみです。
2022年8月2日公開
※本インタビュ−の完全版は『愚音堂メールマガジン82号』に掲載されております。是非ご登録してお読みください。ご登録はhttp://gooondo.com/magから
−『A Song Without Words vo.1』は、ソロアルバムとしては『Euphobia』以来なんと10年ぶりになります。今、この時期にソロアルバムをリリースされたのは何故でしょうか?
GND:コロナ禍もあったり時間が出来た。ある意味リセットが出来たことでだいぶ自分に向き合う時間があったことでしょうね。以前から徐々には進めていたのですがやはりツアーやらレコーディングに忙殺されていたのでカラダがシフトしなかったんですね。
ーソロ作品集を毎月リリースというのはかなり大変な作業になると思いますが、それだけの膨大な作品群をテーマごとに編集し、とありますが、膨大な数というのはそれこそ中学生の頃からのデモも含まれると思いますが、実際それだけの曲数のストックがあるという事でしょうか?
GND:カセット、DAT、MD、コンピュータの中のデータと記録の保存率はかなり高いです。それぞれにメモが残してあったりとか。ただもう無い機材とかがあるので再現出来ないものは新たに作ったりとか工夫してますがストックはたくさんあります。
−今後毎月(8ヶ月という事ですが)アルバムをリリースされるということですが、このような発想というのがとても興味深く感じます。
GND:8ヶ月というのは確か最初のアイデアでCDを想定して最終的にボックスセットになる計画からだと思ったけれど今はそれがなくなったので一年くらいはリリースし続けてみたいですね。
−レコーディング時期はそれぞれ違うという事でしょうか?また、第一弾となる『A Song Without Words vol.1』のテーマは管楽器とエレクトロニクスの融合、と捉えてよいのでしょうか?
GND:そうですね。あまりかけ離れないくらいのサウンドをアルバム毎イメージはしてます。時期はバラバラですかね。
−今回の作品は徳澤青弦さんが2曲参加していますが、それ以外は全てご自身の手によるものなのでしょうか?
GND:そうです。
−『Euphobia』はアンビエント寄りの作品でしたが、今回はぐっとポップな作品になっています。この辺りは作風などを含めて変化があったのでしょうか?
GND:1枚目だし取っ付き易いものと安易に思ったりもしましたがどの曲も意外にポップなものが今後も多い気がしてます。
−今後はどのようなテーマの作品集を予定していますか?それこそファンは昨年の生誕祭で披露された「I Feel Lonely」のようにゴンドウさんのヴォーカル曲なども期待してしまいますが。また、ライヴなどの展開も考えてらっしゃたりするのでしょうか?
GND:「I feel lonely」のようにそのままカセットのクオリティーでのリリースも定着したら出してみたいですね。今後は外からも内からも盛り上がり次第ですかね、これは。独りよがりはしたく無いしある程度の需要と自分がソロとしてやっていけるだけの力量にかかってくるのかな、と。テーマは先ずこれがリリースされてから考えてみます。
−有難うございました。今後の展開を楽しみにしております。
2022年6月5日公開
※本インタビュ−の完全版は『愚音堂メールマガジン80号』に掲載されております。是非ご登録してお読みください。ご登録はhttp://gooondo.com/magから
GND:コロナ禍もあったり時間が出来た。ある意味リセットが出来たことでだいぶ自分に向き合う時間があったことでしょうね。以前から徐々には進めていたのですがやはりツアーやらレコーディングに忙殺されていたのでカラダがシフトしなかったんですね。
ーソロ作品集を毎月リリースというのはかなり大変な作業になると思いますが、それだけの膨大な作品群をテーマごとに編集し、とありますが、膨大な数というのはそれこそ中学生の頃からのデモも含まれると思いますが、実際それだけの曲数のストックがあるという事でしょうか?
GND:カセット、DAT、MD、コンピュータの中のデータと記録の保存率はかなり高いです。それぞれにメモが残してあったりとか。ただもう無い機材とかがあるので再現出来ないものは新たに作ったりとか工夫してますがストックはたくさんあります。
−今後毎月(8ヶ月という事ですが)アルバムをリリースされるということですが、このような発想というのがとても興味深く感じます。
GND:8ヶ月というのは確か最初のアイデアでCDを想定して最終的にボックスセットになる計画からだと思ったけれど今はそれがなくなったので一年くらいはリリースし続けてみたいですね。
−レコーディング時期はそれぞれ違うという事でしょうか?また、第一弾となる『A Song Without Words vol.1』のテーマは管楽器とエレクトロニクスの融合、と捉えてよいのでしょうか?
GND:そうですね。あまりかけ離れないくらいのサウンドをアルバム毎イメージはしてます。時期はバラバラですかね。
−今回の作品は徳澤青弦さんが2曲参加していますが、それ以外は全てご自身の手によるものなのでしょうか?
GND:そうです。
−『Euphobia』はアンビエント寄りの作品でしたが、今回はぐっとポップな作品になっています。この辺りは作風などを含めて変化があったのでしょうか?
GND:1枚目だし取っ付き易いものと安易に思ったりもしましたがどの曲も意外にポップなものが今後も多い気がしてます。
−今後はどのようなテーマの作品集を予定していますか?それこそファンは昨年の生誕祭で披露された「I Feel Lonely」のようにゴンドウさんのヴォーカル曲なども期待してしまいますが。また、ライヴなどの展開も考えてらっしゃたりするのでしょうか?
GND:「I feel lonely」のようにそのままカセットのクオリティーでのリリースも定着したら出してみたいですね。今後は外からも内からも盛り上がり次第ですかね、これは。独りよがりはしたく無いしある程度の需要と自分がソロとしてやっていけるだけの力量にかかってくるのかな、と。テーマは先ずこれがリリースされてから考えてみます。
−有難うございました。今後の展開を楽しみにしております。
2022年6月5日公開
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